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韓国の核「シーワールド」の「内主人」となる方々の感想文!

「シーワールド」というのは韓国のネット用語で「嫁ぎ先の家庭」のことを指します。

先日のソウル首都圏に暮らす日本人主婦の方々へのセミナーの感想文が送られてきたので、ご紹介します。

はっきりいって私自身は嫁の立場でもないし、韓国ではむしろ「百年のお客」として大切にされる婿の立場です。それでも、妻の実家の親戚づきあいの中で韓国の結婚文化、家庭文化の姿を学び、頭の中にある韓国文化に関する知識と、これまで受けてきた相談のうちの実例とをすり合わせて整理した講義に過ぎないのですが、実舞台で実践される方々に、このように多くの肯定的な反応をいただいて、ひたすら頭が下がるばかりですね。

感想の中に「シーワールド」という言葉がありますが、韓国語では、嫁ぎ先のものを表す単語にはすべて頭に「シ(媤)」という接頭語がつくため、それをネット用語として、ディズニーの「シーワールド」に引っ掛けてこういうわけです。嫁ぎ先は「媤宅(シデク)」、舅は「シアボジ」、姑は「シオモニ」、夫のお兄さんは「媤兄(シヒョン)」、弟は「媤同生(シドンセン)」、夫の姉妹は「シヌイ」という感じですよね。

韓国のドラマをご覧になっても分かるように、この「シーワールド」こそ、韓国の文化の中心、コア、核心部にあたり、韓国人にとっても最も重要な、解くべき宿題です。そのため、韓国のバラエティ番組でも、主に「姑婦葛藤」という姑と嫁の間の解くべき課題を取り上げては皆で話し合うという『ウェルカム・トゥ・シーワールド(웰컴 투 시월드)』という人気番組があるくらいです。

「シ」がついている人々との付き合いに疲れて、「シ」がついているという理由だけで「ほうれん草(シグムチ)」までも憎くなるというような「シーワールド」なわけですが、韓国文化の中心が家庭であり、皆が主体性を持って情の塊のようになって織り成す「シーワールド」の中で、日本のご婦人の方々が雄々しく健闘しているということが、まず何よりも感動ですよね。

これも感想の中に、「婿が『百年のお客』ならば嫁は何なのだろう」という言葉がありましたが、それはもちろん、「婿」がいつまで経っても「お客」の域を出ることができない、違う家系の他人もどきであるいっぽうで、「嫁」は同じ家系を継ぐ本当の「家族」として、「実の娘以上のありがたい娘」となった後には、永遠のその家の母となっていく、誇り高い「内主人(アンジュイン)」なわけですよね。

韓国文化の中心で得られるその「内主人」の勲章こそが、真の日韓文化交流のディープな核であるといわざる得ないと思います!

■感想 =====================================

・今回、初めて武藤先生の講座に参加しました。韓国に住んでみて、今まで日本人との違いにいろいろ思うところもありましたが、その背景にある文化の違いについて知ることができたのでよかったです!旦那にも講義内容を伝えましたが、「韓国人でも『なるほど~』と納得できる内容だ」と絶賛していました。ありがとうございました。

・今回、初めて武藤先生の講義を聞きました。韓国で生活をする中で理解できなかったり慣れようと思っても慣れないことがあったのですが、今回の講座を聞いて納得することばかりでした!ためになるお話ばかりで2時間があっという間でした。ありがとうございました。

・これからの韓国生活をスムーズに、また快適にするために、譲歩したほうがよい、日本人特有の文化のポイントがよく分かりました。特に「公私の区別」について、日本人は私的自己の範囲が他国より広いということを聞いてとても納得できました。あと、義父母との関係で、「嫁の孝」が「恨」を解く、と聞いた時はとても驚きました。と同時に若干耳が痛かったです。そして、婿が「百年のお客」ならば嫁は何なのだろうと思いました。今回も面白おかしく難しい日本と韓国の文化構造の違いを講義してくださって、ありがとうございました。次回も期待しています。

・韓国の家庭文化は、貴いとは思いつつも不思議に思うことばかり。一番理解に苦しむ部分でした。聞きたかった内容だったので、講義を聞けば聞くほど、その家庭文化の深さを感じ、気づいていない本質に触れられた時間となりました。生活する中で、とにかく干渉され続けることが、本当に頭とお腹が痛くなったほどに悩みの原因だったのですが、日韓の「親子関係」と「自尊感情」の比較と、「公私の区別は日本人独特の文化だ」ということが分かると、自分の感じる違和感やストレスは、ここが一番関係していたということに気づいてスッキリしました。また、「干渉」は愛を相続するための知恵であるという理由が分かり、すべての疑問がまとまってほどけていくように、つながって整理されたことが感謝でした。心で理解することができてよかったです。

・今回、初めて講義を聞きました。堅苦しい講義とは違って武藤講師の実体験も披露してくださり、とても面白く聞くことができて、2時間があっという間でした。私は嫁ぎ先というよりは、韓国人ママ友との距離の取り方が難しいと感じていたのですが、「なるほど、気にしていたのは私だけだったのかあ」というお話も聞けて目から鱗でした。とても有意義なお時間でした!ありがとうございました。

・「ウリ」の文化と「みんな」の文化の違いなどは、前回からの講義でだいたい分かっていたのですが、姑を旦那の取扱説明書とする、という切り口が面白く、説得力もあって面白かったです。こういうことを知って「シーワールド」に飛び込むのと、ぜんぜん知らずに正面からぶつかっていくのとではまったく違いますもんね。こっちに嫁いで10年ですが、まだまだ修行は続く、と感じました。

・武藤講師の講義はとても勉強になります。今回も、韓国に嫁いで一番たいへんだと感じている嫁ぎ先との関係のお話だったので、知ることができたことで少し気が楽になりました。ためになる講義をありがとうございました。

・毎回の講義に参加させていただいています。今回も新しい内容があり、参考になりました。また講義があるとしたら、内容の希望があるのですが、先生が教えてくださる日韓文化の違いを、自分の子供にどのように伝えたらよいか知りたいです。今年小学生になった息子が、友達関係で嫌なことがあると、「やっぱり韓国人だ」という発言をするようになってしまいました。100%私のせいなのですが、日本であまり行儀悪くならないようにと、「日本では○○はすごく悪いことだからしないでね」など、「日本では」、「日本では」といいすぎたせいかもしれません。「あまり謝らない」とか、「公共マナーが悪い」などの代名詞が韓国人になってしまったようです。それについて、「どの国にもいい人も悪い人もいるし、振る舞いは文化とか傾向だから悪いことじゃない」と説明するのですが、「??」となるだけです。どうしたら子供に分かりやすく説明できるのか知りたいです。

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武藤克精

日韓比較文化学専門家/ 文化交流コーディネーター/ 日韓未来ハートタンク代表/ サムスン人力開発院講師/ 『サランヘヨ・ハングンマル』編集長

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