↑日本人と韓国人の夫婦、ご家族、お孫さん連れ、私たちの「家族」が集まった感動的光景です。
●とうとう実現した韓国人家族への講義!
今年の6月にソウルのある区の「多文化家族支援センター」主催で、韓国人の旦那さんと結婚されてソウルに暮らされている日本人婦人の方々を集めて、日本と韓国の文化の違いの理解に関する講義を日本語でした、ということをお伝えしました。(→過去記事)
実は、その時に参加者の方々から、「ぜひ、韓国の夫や家族にも韓国語で同じ講義をしてください」という要望が出ていたのですが、とうとう主催側がそれに応えてくださり、今日の午前中に同じ区民会館の大きなセミナー室で、今度は韓国語で講義させていただきました。
ソウル市の他の区にも公示がなされたようですが、大きな講演会場が一杯に埋まって、100人近く集まったということでした。前回来られていた日本の美しいご婦人方が、これまたカッコいい韓国人の旦那さん方を連れて夫婦で座っている姿もほほえましく、また、おそらく舅姑であろう、年配のご家族を連れてこられた方、ベビーカーにお孫さんを乗せて親子3代で参加されている方などもけっこう見られ、前から見ていると本当に心温まる光景でした。
講義は2コマ行ったのですが、休み時間を入れても途中で帰る方も見られず、皆、最後まで熱心に聞いてくださいました。講義内容は、私たち日本人を家族として迎え、日々愛をくださっていることに私自身が感謝する思いで、前回よりは韓国の方々を喜ばせる内容を入れながら、その上で日本の文化をその心の世界から理解させ、これから日本のお嫁さん方が、より多くの理解を得て幸せに暮らせるように、という願いを込めて話したつもりです。
●韓国には日本を愛する「家族」がいます!
最後に質疑応答の時間がありましたが、年配のお母さんが感謝の言葉を感想として語ってくださっただけで、司会が質問がないかを尋ねても、「完璧でした!」という答えでした。ところが、閉会した後には、数人の方が個人的に質問や意見をいいにきてくださって、なかなか高度な質問や、公に話せないだろう個人的なご意見などが聞けました。
たとえば、韓流スターのように背が高くてかっこいい旦那さんが、これまた背が高くて美しい日本の奥さんを連れて質問に来られましたが、「日本は合理主義中心だといわれたが、合理主義は神の前の個人というものが確立した西洋の個人主義の上に成り立っているのであって、日本の文化はむしろ全体主義的な傾向が強いものではないか?」と尋ねられました。「それは、近代化精神の比較の中で出る話であり、西洋の文化から選択した中心が日本は合理主義であったという意味であって、日本文化の根本が最初から合理主義だという意味ではない」と答えました。実際日本は、こと韓国と比較した時にその近代化の中心が合理主義なのであって、計算可能化、予測可能化、マニュアル化による安心・安全・便利・快適を追求する世界が、特に韓国と対照的なわけですよね。
あと、年配の韓国のお父さんが、「自分は日本の政治家が靖国神社に参拝することを、韓国人が反対するのは間違っていると思う。さらにそういうことをいうと『親日だ』などと批判されることもおかしいと思う」とはっきりおっしゃってこられていました。
ところで、すべて終わった後で、主催の方々と近くのお寿司屋さんに行ったのですが、なんと、お店の中に今回の講演会の案内チラシが貼られていて、ご主人が「講師の先生ですか?私も楽しみにしていて必ず行きたいと思っていたのに、突然、大きな予約が入ってしまって行けなかったんです!今度またいつされるんですか?次は必ず行きます。チラシをここに貼って店に来るお客さんにも紹介していたんです」ととても残念そうにおっしゃっていました。日本に6年暮らして、学んできたお寿司の技術で夫婦でお寿司屋さんを開業されたのだそうです。さすがにお寿司も美味しかったですよ。
ということで、日本にいらっしゃる方々に、一般の韓国人はこんなにも日本が好きであり、多くが私たちを「家族」として受けれてくださっているのだ、ということを知っていただきたくてご紹介してみました。
こんなに大勢の方が集まってくださるとは思わなかったです。
お子さん連れも多かった。日本と韓国のハーフの子供たちですよね。
赤ちゃんを抱いて聞いてくださる若いお母さんも。
願わくばもっと近くでお顔を見ながら話したかったですが、大きな会場なので仕方がないですよね。
参考までに、区役所の近くのお寿司屋さんにも貼ってあった今回の案内チラシですね。
武藤克精
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